立ち直り

病気の診断を受けてからは、それまで口も聞かなかった親と少しずつですが会話をするようになり、ドン底状態から少しは良くなった気がしてきました。
薬を飲んでいるという事もあるのでしょうが、親が自分の病気を理解してくれたという点が大きかったのだろうと今では思っています。
そのころには親も学生ローンの借金の事は知っており、親から学生ローンに事情を話して利息を止めてもらえないか相談してみろと言われました。
少しずつですが体調も良くなってきたとはいえ、学生ローンからの督促が来るとやはり身体が反応してしまいます。
そんな自分をみかねて、親が学生ローン宛に手紙を書いてくれました。
出す前に自分にも見せてくれたのですが、病気で苦しんでいるので、なんとか利息を止めてもらえないか?
という内容のものです。

●学生ローンからの回答
数日すると、学生ローンから電話が入りました。
自分では出れないので、親に出てもらいました。
事情を説明すると、診断書を送れば、相談にのるという回答でした。

早速掛かりつけの医師の元へ出向き、事情を話した上で診断書を作成してもらい、学生ローンに郵送しました。
その後、学生ローンから連絡があり、特別に利息を免除し、元金のみ分割で返してくれれば良いからと温かく言われました。
利息だけでも数年分貯めていたので、数十万円になっていました。
これを全て免除してくれるというまさかの配慮をしてもらい、本当に嬉しい気持ちになったのを今でも覚えています。
それからは気持ちも徐々に和らぎ、気づけばほとんど元の自分に戻っている事に気づきました。

利息がドンドン増えていく恐怖から解放された事と、周りの温かい気持ちが壊れた自分を修復してくれたのだと思っています。
感謝してもしきれないくらいだと思っています。
もし、利息を免除してくれるという話がなかったら、今頃どうなっていたかわかりません。
もしかしたら、いまだに仕事もしないで怯える毎日を過ごしていたかもしれません。

自分の精神の弱さが一番悪いのですが、人生は何がきっかけで壊れ、何がきっかけで立ち直れるのか、人それぞれいろいろとあるのだと気付かされました。
ハタから見れば、「こいつ何甘えた事言ってんだ!!」となるのは当然だと思います。
その点は十分反省していますし、本当におろかだったとつくづく思います。
そして、長年にわたって学生ローンに対して裏切り続けた自分に対し、温かく迎えてくれた学生ローンのご配慮、本当に感謝の念でいっぱいです。

借金の取り立ては怖いというイメージは誰もが思うと思いますが、決してそうとばかりではなく、親身になって相談に乗ってくれる健全な学生ローンもあるという事を、ご覧の皆さんには知ってもらいたいです。